グローバル化と海外投資の拡大が進むなか、ベトナムに外国企業の支店を設立することは、多くの企業にとって魅力的な選択肢となっています。新たに法人を設立する必要がなく、迅速にベトナム市場へ参入できるうえ、コスト面や行政手続きの面でも多くのメリットがあります。本記事では、ベトナムで外国企業の支店を設立するための手続き、要件、関連するコンサルティングサービスについて詳しく解説します。
1.外国企業の支店とは?
企業法における定義
ベトナム企業法によれば、支店(Branch)は企業の従属機関であり、法人格を持たないものの、親会社の事業機能の全部または一部を遂行することが認められています。
外国企業の場合、ベトナムの支店は本国と同様の事業活動を行うことができますが、ベトナムの法律を遵守する義務があります。
支店と駐在員事務所の違い
支店と駐在員事務所はしばしば混同されますが、両者は明確に異なります。駐在員事務所は市場調査やプロモーション活動のみが認められ、収益活動は行えません。一方、支店は次のことが可能です。
- 契約の締結
- 請求書(インボイス)の発行
- 直接的な売上の計上
そのため、支店は外国企業がベトナムで本格的に事業を展開するための形態として、より有効な選択肢といえます。
支店の権限と義務
ベトナムにおける外国企業の支店では、以下のことが可能です。
- 従業員の採用
- 契約の締結
- 事務所の賃借
- 事業活動の実施
一方で、支店は親会社の直接管理下に置かれ、以下の義務を負います。
- 税務申告および納税
- 会計帳簿の作成および財務報告
- 必要に応じた監査対応
これらはすべてベトナム法に基づき行う必要があります。
ベトナムで支店を設立するメリット
支店の設立は、外国企業がベトナム市場へ迅速に参入するための有効な方法です。主な利点は次のとおりです。
- 会社設立に比べて手続きが簡素である
- 運営コストを大幅に削減できる
- 販売網・サービス網の拡大が容易である
- 親会社が事業活動を一元的にコントロールできる
- 取引先や顧客からの信頼性が向上する
ベトナムでの事業を強化したい外国企業にとって、支店は最も実用的かつ効果的な選択肢の一つです。
2.外国企業の支店設立の条件

外国企業が合法的に設立されていること
ベトナムで支店を設立する外国企業は、本国において合法的に設立・登録されていることが必須条件となります。そのため、営業許可証(Business License)または商業登記証明書など、企業の合法的な設立を証明する書類が必要です。
5年以上の事業実績があること
外国企業は、本国で営業許可を取得してから5年以上の事業活動実績を有していることが求められます。これは、企業の経営能力・事業経験・継続性を確認し、ベトナム市場参入の安定性を確保するための重要な条件です。
国際約束(WTO・FTA)に適合した事業内容であること
支店がベトナムで行う事業内容は、次の条件を満たす必要があります。
- WTO加盟時の約束に適合していること
- FTA(自由貿易協定)の規定に反しないこと
ベトナムが禁止または制限している分野については支店設立が認められず、場合によっては関連省庁の許可や確認が必要となります。
禁止事業分野に該当しないこと
支店は、ベトナム法で禁止されている以下のような事業に従事することはできません。
- 賭博サービス
- 売春
- 人身売買
- 国家安全保障に影響を及ぼす活動など
これらの禁止分野は、投資法および関連法令により随時更新されています。
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3. ベトナムにおける外国企業支店の設立手続き
申請書類の準備
支店設立の申請書類には、以下の書類が含まれます。
- 支店設立許可申請書
- 親会社の有効な営業許可証(コピー)
- 直近年度の監査済み財務報告書
- 親会社の定款(コピー)
- 支店長の任命決定書
- 支店所在地を証明する資料
外国語の書類については、領事認証および公証翻訳が必要です。
商工省への申請書類の提出
書類を準備したうえで、企業は商工省へ直接または郵送で提出します。商工省は、適法な申請書を受領してから15営業日以内に審査・処理を行います。追加確認が必要な場合は、審査期間が延長されることがあります。
処理期間・費用・取得後の対応
通常、書類が整っていれば、支店設立許可の取得までに約2~3週間を要します。
国家手数料は現行の通達に基づき算定されます。
許可取得後は、印鑑の作成、銀行口座の開設、所在地を管轄する税務機関での税務登録を行う必要があります。
よくある書類不備の事例
支店設立申請でよく見られる不備は、以下のとおりです。
- 外国語書類の領事認証漏れ
- 営業分野(業種コード)の記載誤り
- 原本と翻訳文の内容の不一致
これらの不備は、書類の差し戻しや審査の遅延につながります。
そのため、手続きを円滑に進めるためにも、専門の法律・行政サービスのサポートを受けることをおすすめします。
4. ベトナムに外国企業の支店を設立するべき理由

4. なぜ外国企業はベトナムに支店を設立すべきなのか
市場を迅速に拡大できる
支店を設立することで、親会社はベトナム市場へ直接かつ迅速に進出できます。支店を通じて、外国企業は仲介業者を介さずに商品・サービスを提供し、現地顧客に直接アクセスすることが可能になります。
新たな法人設立が不要
新法人を設立する必要がないため、外国企業は時間とコストを大幅に削減できます。支店は親会社の権限下で運営されるため、現地での法的リスクも最小限に抑えることができます。
事業活動を全面的に管理できる
親会社は、事業計画から財務、人事に至るまで、ベトナム支店のすべての活動を直接指揮・管理できます。これにより、グローバル戦略の一貫性が保たれ、新市場における効率的な運営が可能となります。
取引先・顧客からの信頼性向上
支店の設立は、ベトナム市場に対して長期的かつ真剣に取り組む姿勢を示すものです。そのため、顧客・取引先・行政機関からの信頼度が高まり、ブランド価値の向上にもつながります。
5. 外国企業の支店設立サポートサービス
条件確認および必要書類に関するコンサルティング
Wacontreでは、法的要件や事業分野の適合性を精査し、必要書類について詳細にアドバイスいたします。経験豊富な専門スタッフが、支店設立手続きに先立ち、企業が満たすべき法的条件を明確にご案内いたします。
法的書類の作成および翻訳サポート
当社は、商工省の標準様式に基づく申請書類一式を作成いたします。海外で発行された書類については、認証翻訳および領事認証を規定どおりに手配し、官公庁に提出可能な状態に整えます。
商工省との手続き代理
申請から審査完了まで、当社が商工省および関連機関とのやり取りをすべて代行いたします。
これにより、審査期間の短縮、書類不備の防止、承認成功率の向上が期待できます。
許可取得後の運営サポート
許可証取得後も、当社は以下の各種手続きを包括的にサポートいたします。
- 印鑑の作成
- 銀行口座の開設
- 税務コード(税番号)の登録
- ベトナム法に基づく支店運営に関するコンサルティング
支店の円滑な立ち上げと安定した運営を、総合的にサポートいたします。
関連情報: Wacontreの会社設立サービス ― 信頼と迅速さをお届けします
外国企業の支店設立は、海外企業がベトナム市場へ参入するうえで、最も効果的かつ柔軟な形態の一つです。しかし、支店設立には多くの法的手続きと厳密な書類準備が求められます。Wacontreは、支店設立を迅速かつ適法に、そしてコスト効率よく進められるよう、ワンストップで支援するトータルサービスを提供しております。
ご不明な点がございましたら、ホットライン (028) 3820 1213 までお電話いただくか、[email protected] までメールでお問い合わせください。経験豊富なスタッフが迅速かつ丁寧にご相談・サポートいたします。thanhlap.wacontre.com は、お客様に常に熱意と効率をもって対応する体制を整えております。(日本のお客様はホットライン (050) 5534 5505 までご連絡ください。)
